子供の心に伝わる物語

『お父さんみたい』

そういわれて、いままで暴言を吐いていた人が変った
そんな方法があります。

これは結婚カウンセリングで教わった、
たとえ話の活用についてです。

こんなお話を聞きました。

A男くんとB子さんという、カップルがいました。

実はB子さん、子どものころからずっとお父さんから
暴力を受けていたそうです。

当時付き合っていたA男くんは、それを聞き、
「このままにはしておけない」と、
B子さんと駆け落ち同然に故郷を離れます。

その後、結婚し、お互いに生活になれていくと、
仕事が忙しくなったA男くんとB子さんは、
ボタンの掛け違いから衝突するようになったそうです。

それがB子さんにとっては、とてもつらい経験でした。
大切なA男くんから暴言が飛び出す、
大好きな彼と、そんな喧嘩したくないのに…

「でもどういえばいいのか…」

と悩むようになっていきました。
そしてとうとう我慢できなくなり、
A男くんに向かって、こう叫んで言ってしまったそうです。

「まるでお父さんと一緒にいるみたい!」

これを言われたA男くんは、翌日から行動が変わったそうです。

たとえ話は効果的だといわれますが、
これはその最たる例です。

行動がかわる理由

自分がもっとも嫌な相手と同じ行動をとっていた…
いわゆる気づきですが、この瞬間こそがもっとも行動を改めやすいのです。

そのためにはどういう物語がいいのかというと、

1.子供が知っているストーリーで、それに共感している
2.そのストーリーが子供の価値観に影響を与えている
3.子供がそのストーリーに触発されて行動に影響を与えている

こういうのが最適です。

野球好きな少年に、経営の神様の日常していた習慣の話よりも、
プロ野球選手の練習方法のほうが、聞き入れられますよね。
相手がどれくらい「影響を受けている人」が大切なんです。

そういう憧れの人を一緒に見つめながらお話してみてください。
普通にお願いするのとは、ずいぶん違いますよ。


それはつまり、親だけが共感している物語では、
あまり伝わらない、ということです。

アリとキリギリス、
オオカミ少年などの物語、もちろん素晴らしいお話です。
あと自分の経験談、
また自分の親から聞かされた話なんかも同じです。
お話自体は大切ですし、願いが込められたものです。
それを伝えることも大切です。

ただ、そういうお話を「実感」するのは、
大人になってからじゃなかったですか?
実際、自分も大人になってからのほうが考えることが多いのです。

ゆるすことができたら…

ところで、A男くんは、気づいてしまいました。
実は自分も嫌だと思った要素をもっていると。。

つまり嫌いなあいつも、
実はいいものを持っているのかも、

という可能性を知って、しまった。

同時にB子さんも、気づいたのかもしれません。
実は、暴力をふるったお父さんも、
A男くんみたいに、素敵なところもあったのかも、と


そうやってもしかすると、少しお父さんへの気持ちも
いつの日か、変化するのかもしれません。
これも実感するまで、時間がかかることだと思います。



たとえ親が子供に暴力をふってしまっても、
たとえ親にひどいことを言われてしまっても、
いづれ分かり合える関係に、
世界は動いているのかもしれません。

…それって、すごい物語ですよね。

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