独身税という考え方があるらしい。
実は少子化ストップに成功した例がある。
それは古代ローマ時代、
かの皇帝アウグストゥスがやったことだ。
彼はご存じ、カエサルの親戚(姪っ子の子)。
実はもう10年以上前に、
この少子高齢化対策に興味があって、
塩野七生氏の「ローマ人の物語」を読んだ。
お金<安心
彼がした政策は、
子どもがいない人への税ではなかった。
彼がしたのは、子どもがいる人への優遇策、
それも、子どもが多ければ多いほど、優遇されるもの。
おカネがもらえるという程度のものではない。
人生に影響するのだ。
子どもが多ければ多いほうが人事面、人権面で優遇される。
同じ能力なら、こどもの数で出世が決まる。
そういう仕組みにしたのだ。
社会の評価基準に介入したのがポイントだ。
おカネがもらえるのは、一時的なものだ。
しかし、人事などの評価に影響するのは一生ものだ。
子どもの多さでが、人生に影響するなら
人は出産することに動機づけられる。
子どもが多ければ、多いほど、
採用もされるし、賃金も優遇され、人事も高遇する。
企業すべてでこの仕組みが浸透していれば、
若者は結婚し、子供を増やそうと思う。
理由は簡単、
人はお金が欲しいのではなく、安定がほしいからだ。
だからアウグストは、公衆の面前で退役したローマ兵を賞賛した。
もっとも模範的なローマ市民は、
経済力のある間でもなく、地位のある人間でもなく、
より多くの子供をなしたこのローマの老兵※であると。
(※このローマの人、たしか10人ぐらい子がいたと思います)
この制度によりローマは少子化を免れた。
日本の企業もこの仕組みを導入するといい。
人はお金がほしいのではなく、
安心がほしいのだ。
独身税は失敗します。
ちなみにヨーロッパにあるブルガリアでは、
独身税が導入されて約20年間維持された。
なんと収入の最大10%が税金として徴収される。
いや、まじかよ。。。
その結果、少子化は進み2.18%だった出生率は、
1.86%にまで落ち込んだ。
独身者は不安だったろう。
なによりこころの余裕がなくなる。
前向きにはなれない。
結婚するにも付き合うにも、お金はいるのだ。
結婚することのほうが、支出への意識が高くなる。
その一方、既婚者は安心しただろうか?
親となり、子育ての支援金をいただく立場だから思う。
ありがたいことはありがたい、しかし、
お金をもらっても、不安はなくならない。
一生の生涯にわたる安心材料にはならないからだ。
しかし仕事の恒常的な収入増などの
人事面での影響であるならば、どうだろう。
子どもの数が採用で一番大きな基準になるならば、
大衆は歓迎するにきまっている。
結婚することに希望が生まれることほど
安心できる社会はない。
本来、結婚とは希望が伴うものではなかっただろうか。
締めるところは締める
そしてもう一つ、
この制度を支える重要な要因として、
不倫を明確に罪と定めた。
告発されれば刑罰がともなう。
子どもが多ければいいのではない。
それでは不倫の正当化、人身売買など、
社会が混乱する原因になる。
だから伴侶との子どもに限る、それ以外の子供は認めない、
そう定めたのだ。
もちろん、その能力も重要だろう。
しかしそれ以上に子供の数こそが、
人事面で最大の影響力を持つ。
能力が僅差でなくとも、十分に職務を果たせるなら、
子どもの数がおおい人間を優先して採用、
また優遇される人事制度にすることだ。
独身税ではなく、
子供の数で人生に優遇をする。
歴史に基づき提言させていただきたい。